3種類の信託契約について
委託者が所有する財産を受託者に託し、一定の目的にもとづいて管理・運用・処分してもらう契約のことを「信託契約」といいます。
ここでは信託契約における3つの種類について、それぞれご説明いたします。
信託契約その1「契約信託」
契約信託において信託が開始されるのは、委託者と受託者の間で信託契約書を交わしてからとなります。
信託契約書は必ずしも公正証書で作成しなければならないものではありませんが、データによる契約書の場合には改ざん等のリスクが考えられます。それゆえ、公証役場にて契約書が存在することを公的に証明する、「確定日付」の付与を利用しておくと安心かつ確実だといえるでしょう。
確定日付の付与がされた契約書であれば、その日に間違いなく作成されたものとして第三者にも判断してもらうことが可能です。手続き自体は簡単で、かかる手数料も1件700円と安価になっています。
信託契約その2「遺言信託」
遺言信託において信託を開始させるには、作成した遺言書において「委託者が亡くなることによって信託を発生させる」という旨の内容を記載する必要があります。
また、作成した遺言書が方式の不備等によって無効となった場合、当然ながら遺言信託も無効となってしまいます。それゆえ、遺言信託を検討される際は「公正証書遺言」で作成することをおすすめいたします。
信託契約その3「自己信託」
「自己信託」とは、ご自分が委託者および受託者となり、ご自身に財産を託す契約のことをいいます。
自己信託に該当する例としては、委託者および受託者となるAさんがご自分の財産を管理・運用・処分し、その際に生じた利益を受益者となるBさんに渡すというものです。
自己信託が開始されるのは、以下のいずれかに該当する場合となります。
- 自己信託証書を公正証書で作成する
- 確定日付を付与された書面で信託内容を受益者に通知する
ご自分が委託者および受託者となる自己信託では、ご自分の財産をご自身に信託することを宣言すれば信託自体は成立します。しかしながら、効力が生じるのは上記いずれかを行ってからとなるため注意が必要です。
また、自己信託はみなし贈与税の課税対象となります。
このように信託契約には3つの種類がありますが、いずれも専門的な知識がないと判断に困る場面も少なくありません。
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